幸せな結末
「あっ、若宮さんの彼女さんだ!」

そう言ったのは、すずめの子だった。

「楠田美羽です」

私は頭を下げた。

「美羽ちゃんね。

あたし、堺彩花」

すずめの子が自分の名前を言った。

ふーん、さやかちゃんって言うんだ。

と言うよりも、ちょっと待て!

「一也さん、ちょっと…」

私は一也さんの腕を引っ張った。

「えっ、何?」

いきなり腕を引っ張られた一也さんは戸惑っている。

「この状況は何なんですか?」

コソッと、私は耳元で一也さんに話しかけた。
< 70 / 172 >

この作品をシェア

pagetop