幸せな結末
「東雲理彩」

彼女が自分の名前を言った。

東雲…って、
「ええっ!」

私は思わず大声を出して驚いてしまった。

「何かマズいこと言った?」

キレイに整った眉を段違いにさせて、理彩さんが言った。

マズいことは言ってないけど、もしかして…。

「俺の奥さんだけど?」

「わあっ!」

いつの間にか、理彩さんの隣に東雲さんがいた。

と言うか、
「帰ってきてたのね…」

一也さんも課長さんもいる。

「何か、聞かれたら困るような話をしていたのか?」

堺さんに顔を向けながら、課長さんが言った。

かすかに黒いオーラが見えているのは、私の気のせいだろうか?

「ううん、そんな話じゃないよ。

ねえ?」

堺さんは焦ったように私に同意を求めた。
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