幸せな結末
「えっ…ああ、はい」

いきなり話を振らないでよ。

私まで焦っちゃったじゃない。

そう思った私に、
「そうか」

課長さんはそれだけ返事した。

あー、何か怒らせちゃった…かも?

「じゃ、行こうか」

東雲さんがやらしく笑ったのと同時に、理彩さんの腰に手を回した。

「恭吾!」

そのとたん、理彩さんの顔が真っ赤になった。

恥ずかしがっているのか、それとも怒っているのか。

「んー、どうかした?」

ニタリと眼鏡の奥で笑った東雲さんに、理彩さんは何も言い返せない様子だ。
< 79 / 172 >

この作品をシェア

pagetop