幸せな結末
スーツにコートを羽織った、そこそこ背が高い男が立っていた。

あら、かっこいい。

ダークブラウンの短髪に、黒ぶち眼鏡、顔立ちの整ったかっこいい人だった。

「…彼氏、さん?」

男の顔を見たバカ男が聞いてきた。

「そうだけど?」

男が首を傾げて、笑いながら言った。

ちょっと待て、私は知らないわよ?

かっこいいけど、私はこの人を知らないわよ?

と言うか、“彼氏”って言う単語はないんじゃないかしら?

どちらにせよ何にしろ、あなたは一体誰なの?

「あ…アハハ、失礼しましたー」

お笑い芸人みたいにそう言うと、バカ男は去って行った。

とりあえず…あの男はどっか行ってよかったけど、あなたは一体誰なの?
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