幸せな結末
何か、
「見てるこっちが恥ずかしい…」

私の心情を読んだのか、それとも同じことを思ってたのか。

一也さんが目をそらした。

確かに、あのやりとりは見てるこっちが恥ずかしくなる。

マネしろって言われたら、無理だと思う。

私も一也さんのマネをするように目をそらすと、遠くを見つめた。

「若宮、行くぞ」

課長さんに言われ、ハッと私たちは我に返った。

「主任たちは?」

「あそこ」

堺さんの指差す方向を見ると、まだやっていた。

余裕な笑顔で彼女の腰を抱く東雲さんと顔を隠すようにうつむいて歩く理彩さん。

見習うべきか、そうでないべきか。

そう思いながら、残りの私たちも水族館に入った。
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