幸せな結末
「じゃ、ここからは別行動で」

中に入ったとたん、課長さんが言った。

堺さんと手を繋ぐと、さっさと先に行ってしまった。

私はそんな2人の後ろ姿を見ながら、戸惑っていた。

だって…一也さんと2人っきりだよ?

緊張と戸惑いが、胸の中を回った。

「じゃあ、俺たちも行こうか?」

一也さんの声で、私は我に返った。

「…ああ、うん」

妙に返事が遅れてしまった。

「どこ行く?」

「えっと…イルカ?」

質問に質問で答えてどうする。

恥ずかしくなってうつむいていたら、
「じゃ、行こうか」

そう言って、一也さんが私の手を引っ張った。

って、私たちも手を繋いでる!
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