幸せな結末
「うわー…」

大きな水槽の前で、私は声をあげた。

目の前で泳いでいるのは、イルカだ。

「かわいい!」

私は水槽に手をついて、のんびりと泳ぐイルカを覗き込んだ。

「見て、あそこに小さいのが」

一也さんが指を差す方向に視線を向けると、
「かわいい〜!」

お母さんイルカと一緒に仲良く泳ぐ子供イルカがいた。

「かわいいね」

一也さんが親子イルカを眺めながら言った。

「うん、かわいいね」

そう言って一也さんを見た瞬間、バチッと目があってしまった。

恥ずかしくなって、私は思わず目をそらした。

って、何してんのよ!
< 82 / 172 >

この作品をシェア

pagetop