幸せな結末

あふれる思い

夕方、水族館を後にした私たちはバスの中にいた。

窓から空を見ると、キレイなオレンジ色に染まっていた。

「勝手に帰っちゃってよかったの?」

私は隣に座っている一也さんに聞いた。

「別行動だって言ってたし、勝手に帰っても構わないと思う」

イタズラっぽく笑いながら、一也さんが言った。

「明日東雲さんと課長さんに怒られても知らないからね?」

首を傾げて、からかうように私は言った。

「えー、それはひどいよ」

すねたように口をとがらせながら、一也さんが言言った。

もう、その顔は反則過ぎじゃないのよ。

一也さんは自覚がないかも知れないけど、その顔を女子社員の皆様に見せたら絶対に飛びつくと思うよ?

そんな妄想を勝手して、私は1人でヤキモチを焼いた。
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