幸せな結末
私は本当に一也さんが好きなんだと、実感させられる。

もう、どうしようもないよ…。

そう思っていたら、この雰囲気をぶち壊すような着信音がバスの車内に響いた。

「うわぁ!」

ビックリして、私の躰が思わず跳ねてしまった。

別に、悪いことしてないんだけどね。

「…んっ?

…あ、俺だ」

一也さんは目を開けると、頭を起こした。

コートから携帯電話を出すと、それを耳に当てた。

「もしもし…ああ、俺だけど」

もう、ビックリさせないでよ…。

汗が出ているのは、暖房が効き過ぎているからだと言うことにする。

「はっ?」
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