幸せな結末
美羽ちゃんが心配そうに俺を見た。

母親から話を聞いた瞬間、
「はあ!?」

俺は大声をあげて驚いた。

突然大声を出した俺を通行人が不審な目で見ている。

けど、今はそんなことを気にしている場合ではない。

「ああ、そう…わかった、じゃ」

俺は携帯電話を切った。

「一也さん、どうしたの?」

美羽ちゃんが心配そうに首を傾げて聞いてきた。

「あいつ、風邪をひいてこられなくなったって」

たった今話していた内容を美羽ちゃんに伝えた。

「風邪?」

初めて聞く単語のように、美羽ちゃんは聞き返した。

「熱が38度もあったって」

「そう」

美羽ちゃんが返事をすると、俺は大げさとも言えるくらいのため息をついた。
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