幸せな結末
これないことくらい、早く電話しろっつーの。

そしたら、駅で待ちぼうけをくらわずに済んだって言うのに。

呆れて何も言えないとは、まさにこう言うことを言うんだと思った。

「ごめんね、無駄な時間を使っちゃって」

そう言って、俺は美羽ちゃんに謝った。

「そんな気にしないで」

首を横に振ると、美羽ちゃんが言った。

もう1度ディスプレイを見ると、後少しでお昼の時間だった。

「何か食べに行く?

お腹すいたでしょ?」

俺が言うと、美羽ちゃんは嬉しそうに首を縦に振ってうなずいた。


お昼に選んだところは、俺の行きつけの小さな洋食屋だった。

会社の近くにあるため、お昼休みになるとよくここで昼飯を食べに行く。

値段は少し高いが、味の方は格別に美味いのだ。
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