幸せな結末
まさか美羽ちゃんと同じことを考えていたとは。

嬉しいことは嬉しいけどね。

「あ…じゃあ、頼むよ?」

美羽ちゃんが紅くなりながら、首を縦に振ってうなずいた。

近くにいたウエイターを呼ぶと、オムライスを2つ頼んだ。

「驚いちゃった」

美羽ちゃんが言った。

「何が?」

そう聞いた俺に、
「同じものが食べたいんだなって思って」

美羽ちゃんが言った。

「これでも、気分で選んだんだけど」

「でも、驚いちゃった」

エヘヘと笑いながら、美羽ちゃんが言った。

あーあ、絶対に俺は重症だよ。

食べたいものが一緒だったから喜ぶなんて、ガキかよ。

「そう言えば、もう夏だな」

話題を変えるように、俺は言った。
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