妄想な彼女


――そして、演劇大会が始まった



廊下では慌ただしく他の学校の奴らが行ったり来たりと走り回っている


「常陸!俺らも準備するぞぉ!」

「あぁ。今行くから!」


廊下からひょっこり顔を出しながら言った観月にそう応えて


顔を真っ赤にして苦しそうにしている円城を見る



「はぁっ…熱血すぎるのも問題だよなぁ」


改めて呟いてみると、ここ3週間のことがフラッシュバックしてくる


『絶対に離しません!』

『是非演劇部に入ってくださいっ』

『もう少しでロミジュリを元にした台本が出来上がりそうなんです!』


『樹理を愛してください…』


やっぱコイツ、変。

―クスッ


やべぇマジ可笑しくなってきた



俺はにやける顔を抑えながら控え室を出た



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