妄想な彼女



円城は必死に立って、強い眼差しで観月を見返した



『私は諦めません。』


その言葉は今までの練習の中なんて比べ物にならないくらい、力が入った言葉だった

それは、円城の今の気持ちも表しているように俺には思えた


観月も呆気にとられていたがすぐさま演技に戻る


『自分が何を言ってるか分かっているのかっ?』


『分かっています。そうでなければお父様の前で、宣言したりしませんっ』



河辺の言う通りだった



“信じろ”って言ったけど…
それだけじゃダメなんだ。



俺が円城を“信じる”ことも大切なんだ






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