妄想な彼女
第2章
部員募集中
市内の演劇大会から1週間―――
あれからずっと円城は風邪で学校を休んでいる
河辺曰く、インフルエンザではないみたいだけど
「な~に浮かない顔してんのっ!」
バシッ
―痛っ゛…!
後頭部に痛みを感じて振り返ると、教科書を持ってニヤついている晴紀がいた
「晴紀っ!いきなり何すんだよっ!」
頭を擦りながら睨みつけると俺の机に肘をつき俺を見上げる
「…なんだよっ」
「せっかくのイケメンが…台無しよ」
語尾にハートマークをつけるなっ!
「……キモい」
「むふふ姫の唇奪った人が言うことは違うね☆」
晴紀はオバサンのように口に手を当ててオホホと笑う
「ってか!!何言ってんだよ!」
唇奪ったって…っ
「円城姫の唇奪ったって噂だけど?」
「う…!!奪ってねぇよっっ!!」
誰がそんな噂……