妄想な彼女
「で!さっそく来月行われる、市内の演劇大会に出て頂きたいんです!」
ら、ららら来月ぅ~~~~~!?!?
「ち、ちち…ちち」
「…父?」
ちげぇよっっ!
「ちょっと待て!」
「はい?」
円城さんは首をかしげてこっちを見る
「ら、ららら…来月とかあり得ないからっ!」
今は8月の中旬…
明後日からは夏休み…
「時間ねぇだろ~がっ!」
「え?明後日から夏休み何ですよっ!最高ぉじゃないですかっ!」
最高ぉじゃないですかっ!
…じゃないですかっ!
…ですかっ!
…かっ!
円城さんの声が自分の頭の中で繰り返される
「って、ことは…
夏休みに学校に出てこなきゃいけないのか?」
「はいっ!」
―はいっ!じゃねぇ…!
「円城ぉ~!」
ガシッ
俺は円城さんの肩に手を置いてギロっと睨んだ
…が、しかし。彼女はケロッとした顔をしている
「なんでしょう?」
「聞いてない。」
「…へっ?」