妄想な彼女


「うわっ!」


服を思いっきり引っ張られバランスを崩し後ろに倒れそうになる


振り返ると円城が真剣な顔で俺を見上げていた


「あたし!確かに人の都合を考えてませんでした…
誰でもいいとか思ってません!」


「え?」


「もちろん。ただ顔がいいからって訳でもありません!

棗サンの演技に惚れたんですっ!」




「ふぅ~ッ!美~緒!それって告白っ!?」


部室の奥にいた女子部員が茶化すように叫ぶ


「ちーがーうー!!」

円城は冷静に叫びかえした


「なんで俺の演技が好きなの?
したことすらないのに」


すると円城はきょとんとした顔でこちらを見る



え、なに?



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