妄想な彼女

彼女の名演技




「やっぱり、ロミジュリですかね?」


「ロミジュリ…?」


両手を広げて言う円城…


「ロミオとジュリエットですよぉ~!」


「あぁ…でも…どんな話だっけ?」


確かに有名だけど…『ロミオ~!ジュリエッ~ト!』っていう台詞しか知らないし


バサッ


な、なんだ?


円城は持っていた本を落とし、絶望した顔で俺を見ていた


「な、なんか俺、悪いこと言った?」


「いえ…
そう言うのが当然です…」

ガクッ


円城は膝から崩れ落ち肩を落とす


「あ、あの…?え、円城?」


「シェイクスピアとロミオとジュリエット…

名ばかりが有名で実際、本を読んだりしたことはあまりない。

これは悲しいですが確かに事実です!!」


た、確かにそうですね…


全体的に負のオーラが漂っている今の円城は何を言っても聞こえてないと思う…


「だからこそ!やるべきだと思うんです!
いくら定番でも、やるべきだと!」



め、目が燃えてる…



「あのさぁ~盛り上がってるとこ悪いんだけど…」


ガッツポーズをしている円城に女子生徒が近づく


この間、『ふぅ~美~緒!それって告白ぅ~?』とか言って茶化してた奴…


見た雰囲気的に円城とは仲いいっぽい



「な~に?杏里ぃ」


ルンルン気分の円城にそのコはどこか言いにくそうに口を開いた



「………む、無理」


「「……へ?」」




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