妄想な彼女
なんか…大袈裟じゃね?
「次はアタシの番ですね!杏里ぃ~よろしくぅ!」
「はいよ~」
ーーーーー
河辺は女中役
病気で長い間寝たきりの沖田を世話する役
そして、美緒が「ここが一っ番の沖田の見せどころと言っても良いくらいのシーンです!」
と言っていたシーン
「病気で自由に体を動かせなくなった沖田は女中の注意も聞かずに刀を持ち庭を出る――
剣の天才と言われた沖田も庭にいた猫でさえも斬れなくなってしまう…」
台本を見ながらアカリ達が呟く
「きっと辛いだろうね沖田も…」
「これって実話なんでしょ?この時の沖田ってアタシ達が想像も出来ないくらい悔しかったと思うよ。」
そうだ。コイツ等の言う通りだ―
だからこそ、難しいんだ―
本の中の人物じゃない。本当にいた人物だから―
でも…美緒なら楽勝だろ。