妄想な彼女
『沖田様!どこへ行くのですか!』
『…っく。止めるなっ…アタシ…いや俺は、戻らなきゃいけないっ!近藤さんと約束したんだ…っ!』
『沖田様っ…体のことを考えてください…』
『近藤さんが言っていた…最期まで武士の心を捨てるなとっ!
武士は戦場で死ぬのが本望…っ、病で死ぬなど…武士道に反するっ』
美緒は刀を構えて振り下げるがバランスを崩し、バタ!!っという大きな音を立て倒れた
…あれ絶対痛そう。
けどきっと、沖田に成りきっている美緒にそんな痛みなんか関係ないんだと思う。
『…っく、
…どうしてっ』
とんっ…とんっ…
悔しそうに床を叩く音さえも力なく、そこまで役作りする美緒に改めて関心する
『もう…斬れないっ…
近藤さんっ…もう…戦えないよっ…』
女中の河辺にすがって泣くその光景はあまりにも心が痛んだ
やっぱり…すごい