妄想な彼女


10分後、舞台袖に戻ると美緒と河辺以外の部員は全員集まっていた


「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




………っ!?


いきなり聞こえてきた黄色い声に俺はビックリして振り返る


「美緒ちゃんカッコい~い♪」




……………




正直、俺も言葉を失った


そこにいたのは…円城美緒ではなく

完全なる侍。沖田総司だった



髪を1つに結い新撰組の袴をきっちり着こなしている



女というより男らしさが漂っている





何度も何度も思う




やっぱ、すごい。



「美緒ちゃん~やっぱ惚れるわぁ~♪」

頬に手を当て、顔を真っ赤になっているアカリ達にペコリとお辞儀をして美緒は俺に近づいてくる



…?


美緒はじぃ~っと俺を見たまんま動かない



「な、なに?」


しかも上目遣い

コレ。反則だと思う。



「やっぱりアタシの目に狂いはありませんでしたっ!」


…っ!!

いきなりバッと手を握り叫ぶ美緒に今度はこっちが動かなくなってしまった




「…は?」

「何でも似合いますし!侍もぴったし♪
棗サンを部員にしてよかったですぅ~~~!!」



あ、あ…そ


さっきまでの侍の顔はどこへやら…

今は完全なる妄想癖になってる




でも、またそれもすごいっておもう自分がいる




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