妄想な彼女


「えぇっと…次のシーンは、沖田の病気が見つかって新撰組を一時脱退することになる…というシーンですね。はぁ、私の出番はもう少しですねー」

女中役の河辺が台本を確認しながら呟く


「おいっ衣装はこれでいいんだったよな?」
「ち、違いますよ常陸先輩!!こっちです!」
「え…?」
「ちゃんと台本に書いてあるじゃないですかぁぁぁあ!
すぐに着替えてください!!」

(…まじかよ。)



「………」


結構テンパってる俺らとは反対に美緒は深呼吸をし目をつぶって役作りのモードになっている

そしてゆっくりと静かに目を開ける…



「さぁ、いよいよここからが見せ場です。


「おぉ。」


凛とした表情、姿勢で美緒は舞台に出ていく



俺には絶対にできない。

何度も何度も何度も思う…



すごい



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