妄想な彼女
ジーーという音とともに幕が再び開く
『土方…それは本当か?』
身を乗り出すように近藤は土方に詰め寄る
最近、沖田の様子がおかしいと感じた近藤が沖田を医者に見せることを勧めた
そんな中、沖田の病気が判明する
付き添っていた土方は複雑な表情を見せた
『はい。村一番の名医に見せたところ…肺結核だと…』
『肺結核っっっっ……』
その場にいた者全員が息をのんだ
江戸という時代、肺結核は死の病なのだ
『局長!!どうなさるおつもりですか?沖田はこれから幕府を守っていく上で必要不可欠です。』
『しかし…肺結核ともなると』
口々に言いたいことを言う男たち
『まだ…沖田は自分の病を知らないのだろう?』
近藤は静かに呟いた
その一言に周りは静まる
『はい。自暴自棄になってしまう可能性もあるため言わないほうがいいと…』
『……………』