妄想な彼女

愛する演技



――次の日



“棗サン自身は円城美緒を騙してください”


“槇斗では樹理を愛してください”



どういう意味だろう…

っていうか、本気で人を愛するってことを知らなきゃ演技って出来ないんじゃないの?


愛する演技は想像を絶するほど難しかった



「樹理と槇斗は運命的な出逢いをする…
お互いの素性も知らずに恋に落ちる

しかし樹理の家と槇斗の家は現在の不景気で会社が上手くいかず、政略結婚をしざるを得なく。婚約者がいた…
その結婚を断れば…会社で働く何千人もの人が職を失う…

何千人もの幸せを犠牲にして2人が幸せになっていいものかどうか…」



隣で他の部員達が輪になって台本をまじまじと見つめていた


部員B「はい!私は駆け落ちすべき!」

部員A「でも人の上にある幸せは幸せなのか?」

部員C「カッコいいこと言うなぁ~」

部員A「ここに書いてある…」

部員D「セリフかよっ…!」

「ん~ん。難しいよね~」


河辺さんがくるくる回る


この間、円城も回ってたよな?











……















…………流行り?
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