妄想な彼女


「最初から上手い人なんていませんよ?」


机に肘をついて俺の顔を覗き込む



「…え?」



「美緒だって最初からあんなに上手かった訳じゃないですし。
今の先輩みたいに投げ出した時期もありましたねぇ~」


そうだったのか…


「だから、そんな気に悩む必要ないですよっ?」


俺の心を読んだかのように呟く


「…どうして円城は俺を演劇部に入れたんだ?」


すると河辺さんは固まり、じっと俺を見る


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