黒の三日月
一方怪我をしたヒイラギと言えば、出番が終わってすぐに絆創膏だけの応急手当だけされて、後は何もしていない。

本人はそこまで辛そうな顔はしていない。

というか怪我に対してどうでも良いような感じである。


「夜見君、着替えたら保健室に行ってらっしゃいな」


その桜井さんの言葉はその場にいた全員の頼みでもあった。

正直、今の状態の優衣を1人にはしたくなかったけれど、

怪我を負わせてしまった責任もあったから、私はヒイラギに付き添う事にした。

不運にも保健医の先生もいなければ、気分が悪くなって寝込んでいる人もいないようで。

久々のヒイラギと2人きりという状態に嫌でもなっていた。

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