黒の三日月
人間らしい所もあるじゃない。
「行くぞ」
そのまま体育館へと歩みを進める。
そんなに遠くはない距離だったけれど、その間に会話を交わされる事は一切なかった。
ただ聞こえるのは2つの雨音……空から降る雨音と傘にぶつかった時の鈍い雨音。
そして私達の足音。それ以外は殆ど聞こえなかった。
辿り着いた体育館の中に入れば数時間前までのお祭り騒ぎが嘘のように、シンと静まり返っていた。
この時間でも明かりが必要な程に暗い。でも明かりをつけようとは思わなかった。
もしかしたら先生達が来てしまう可能性もあったから。
真っ直ぐとヒイラギが壇上へと向かって行く後ろ姿を、私は追いかける。
壇上へよじ登ってから漸くヒイラギが言葉を発した。
「行くぞ」
そのまま体育館へと歩みを進める。
そんなに遠くはない距離だったけれど、その間に会話を交わされる事は一切なかった。
ただ聞こえるのは2つの雨音……空から降る雨音と傘にぶつかった時の鈍い雨音。
そして私達の足音。それ以外は殆ど聞こえなかった。
辿り着いた体育館の中に入れば数時間前までのお祭り騒ぎが嘘のように、シンと静まり返っていた。
この時間でも明かりが必要な程に暗い。でも明かりをつけようとは思わなかった。
もしかしたら先生達が来てしまう可能性もあったから。
真っ直ぐとヒイラギが壇上へと向かって行く後ろ姿を、私は追いかける。
壇上へよじ登ってから漸くヒイラギが言葉を発した。