黒の三日月
夏の暑さが和らいで、少し涼しくなった秋。

爽やかな青空が広がるのに、私の心は爽やかではなかった。まるで曇り空のようだ。

文化祭が終わって、少ししてからだ。

今まで何度か起こっていた不可解な出来事が増えたのは。

危うく交通事故に巻き込まれそうになった回数と、

頭上から者が落下してくる回数がそれぞれ数十回以上。

たまに誰かに押されて階段から落ちそうになったりする事もある。

そして今、学校に来る途中でもそれは起こった。

身体が勝手に動いて赤信号の横断歩道を渡ってしまい、危うく車に轢かれる所だった。

それを助けてくれたのは恐らくヒイラギ。

助けてくれた人にお礼を言おうとしたのに、その人らしき姿がなかったから。
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