黒の三日月
「余計なお世話よ」


ヒイラギに聞こえないように言ってやれば、

それに対してなのか優衣がクスクスと笑っていた。

何で笑っているのかがよく分からない。

優衣をジッと見詰めていたら、優衣はまだ笑いが止まる事もなくただ、


「紗千って本当に夜見君の事が嫌いなんだなあ、って思って」


と。それの何処がおかしいのかが全く分からないんだけど。

何か言ってやろうと思った途端に、朝の始まりを告げるチャイムが鳴り響いた。

“もうおしゃべりタイムは終わりだね”と言わんばかりに優衣は教卓の方を向いてしまった。

何だか悔しい。

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