黒の三日月
「ヒイラギは黙って! ……倉山、教えなさいよ」


ヒイラギが何故止めているのなんて分からない。

止めると言うからにはとても重大な事なんだと思う。私がショックを受けるほどの。

だから私はヒイラギを安心させるかのように言ってやった。


「それなりの覚悟くらい出来ているから。何があっても動揺しない」


と。するとヒイラギは妙に不思議そうな顔をして、私を見つめた。

ヒイラギがそんな表情をするなんて思わなかった。
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