黒の三日月
「ヒイラギ……!?」

「夜見君じゃないの!」


当のヒイラギは少し頬を赤く染め、照れ臭そうにしている。

表情が何だか少しだけ豊かになったのは気のせいだろうか?

真っ先に私は倉山とサトルを睨みつけた。どういう事なのかと。

2人は揃いもそろって目を変な方向へとそらしているではないか。

……優衣がいなくなったら徹底的に聞きださないとね。

ヒイラギの仕事が終わるのを待ち、日も暮れて夜になった頃。

近くの公園に倉山とサトル、そしてヒイラギを集め、事情を聴きだした。

少し脅しただけで倉山はあっさりと白状し始めた。何故か敬語で。
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