黒の三日月
ヒイラギはそんな事を言われるとは思わなかったに違いない。

少しきょとんとした様子だったから。ほんの僅かな沈黙の後に、ヒイラギは言った。


「俺は人間じゃない。それを承知の上で返事を聞かせて欲しい。
玲の約束とかは関係ない。お前をずっと守らせてはくれないか」


……それはもう淡々と。ヒイラギらしいと言えばヒイラギらしい言い方のお願い事。

でもそれってもしかしてもしかすると。


「告白……?」

「それはよく分からない」


即答だった。だろうね。そうでなければこんなに淡々に言う事なんて出来ないもんね。

なんかムードがないような気もするけれど……。


「私、貴方を傷付けようとした。そんな私なんて守られる資格あるのかな?」

「関係ない」
< 200 / 203 >

この作品をシェア

pagetop