黒の三日月
「今日は散々な日だったよ」


帰ってきたら、丁度お母さんも出かけているようで1人きり。

言いたい事を少しでも早くぶちまけたかった私は

“和室にいるお兄ちゃん”にそれをぶちまける事にした。

お兄ちゃんの目の前で正座をし、散々な出来事を話す。

今日は2度も殺されかけたという事を。こんな事ってありえるんだね、本当に。

だんだん物騒になってきたから気をつけろ、って事なのかな?

一通り話してから、私はお兄ちゃんに必ず報告しようと思った事を言う。


「お兄ちゃん。もしかしたらね……お兄ちゃんを殺した人を見つけたかもしれない」


まだ確信は持てないけどね、と付け加えて。
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