黒の三日月
「霊感なんてないのに何で貴方が見えているの? 私死ぬの?」
パニックになりかけている私にヒイラギは相変わらず取り乱すことなく、冷静に喋る。
ヒイラギには当たり前の事でも、私には当たり前の事なんかではない。
温度差が少し激しい気がした。
「だから分からないと言っているだろう。死ぬ前に見えるなんて事だって絶対にない」
よく漫画とかの世界では死ぬ前に見えないものが見える時があるから、
私は死んでしまうと思った。でもそれをヒイラギは否定する。
死ぬ前だからって霊感が高まったりする訳じゃないんだね。私はまだ死なない。
それだけで少し安心した。ただ……引っかかる個所がある。
「よくよく考えたら貴方、見届ける存在って言っているけど……命奪っているよね?」
「奪う? 死にゆく者の命を刈り見届ける事の何処が奪う、だ」
そういうのを奪うっていうんだけどな。
パニックになりかけている私にヒイラギは相変わらず取り乱すことなく、冷静に喋る。
ヒイラギには当たり前の事でも、私には当たり前の事なんかではない。
温度差が少し激しい気がした。
「だから分からないと言っているだろう。死ぬ前に見えるなんて事だって絶対にない」
よく漫画とかの世界では死ぬ前に見えないものが見える時があるから、
私は死んでしまうと思った。でもそれをヒイラギは否定する。
死ぬ前だからって霊感が高まったりする訳じゃないんだね。私はまだ死なない。
それだけで少し安心した。ただ……引っかかる個所がある。
「よくよく考えたら貴方、見届ける存在って言っているけど……命奪っているよね?」
「奪う? 死にゆく者の命を刈り見届ける事の何処が奪う、だ」
そういうのを奪うっていうんだけどな。