黒の三日月
私はお兄ちゃんの無事を願ったのに、やって来たのは不幸。

神様なんていないと思った。いたらお兄ちゃんをちゃんと助けていると思うから。

そう感じると同時に私はお兄ちゃんを殺したともいえるあの男の子を憎く感じるようになった。

あの子が来なければお兄ちゃんはもっと生きる事が出来たと思う。

もっと傍にいる事だって出来た。

その気持ちは何時しかあの男の子へ復讐をしようという気持ちへと変わる。

名前も知らぬ金色の瞳をもつあの男の子へ同じ苦しみを必ず与えよう。そう誓った。

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