黒の三日月
そんな不安を胸に抱えながらお兄ちゃんやお母さんと適当に会話をしてから、家を出た。

外は晴れているけれどこの天気も長くは続かないようだ。

午後から雨が降る可能性が高いと新聞に書いてあった。雨、降らないと良いなあ。


「おはよう、紗千。昨日は楽しかったね! でも今日はお芝居を楽しんじゃおう?」


教室で真っ先に優衣は私を見つけて、楽しそうに話しかけてくる。

昨日は優衣と色々な場所を回った。

ただ私は部活の出し物せいか紺色の浴衣を着ていて、

制服姿の優衣とは並んだらバランスが取れていなかったと思う。
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