=想い=〜返歌〜
二人のうまれた日
衝撃だった。

俺のハートに、雷が堕ちたんだ。


愬(サク)と出会ったのは桜の季節だった。

きっかけは、無理矢理連れて行かれた、会社主催のお花見会。

取引先だと紹介されたメンバーの中に、愬は居た。

無理にお酒を奨められて、断るはにかんだ笑顔が可愛くて、すぐに惹かれた。

まさに、俺の理想がそのまま居た、という感じだったんだ。

それは、どうやら愬も同じだったみたいだ。
自然に話し出し、アド交換なんて、中々しない俺からアドを聞き出した愬。

ふたつ年下の彼女は、歩くの遅いし、よくむくれる。

そこが、また可愛い。
でも、まだ『オトモダチ』から進展しねぇ。

女なんて、面倒でいつも後回しにしていたツケだよな……

「ねぇこのまま付き合っちゃおうよ!」

突然、愬から言われた一言。

「お前いつものごとく強引だなぁ」

心の中はドキドキ。

真顔になる俺に、愬のかわいらしい唇が近付いて来た。


『やわらけ〜〜』


「私、前世でも来世でも、夏緒と一緒な気がするの…」

まだ、唇を重ねていたかったけど、吐息でそう言う愬が愛しくて、頭をグイッと胸に押し当てた。

「贅沢者……」

そっと顔を上げる愬。
俺はたまらず、再び唇を重ね、そのまま夕日が照らす部屋で、ゆっくりと身体を重ねる。
「ねぇ、今日って……なに…か…あった………かな?」


吐息混じりに、愬が聞いた。

「何かなきゃダメか?」

俺は、少しづつ唇をずらし、愬を感じる。


「夕日に映えて綺麗だ…」

指を上から下へ。

愬の敏感な部分を探す。

甘い吐息が漏れる。


もう誰にも渡さない。

俺達は、これから始まるんだ。

二人の愛の誕生日になる。

一緒に創る最高のBirthday。


二人、一生……この日を忘れない。


この時が、永遠に続くと約束しよう……


     =fin=
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