【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
 
それを聞いてピーンときちゃったんだよねぇ!俺の相棒はちぃーちゃんしかいない、って!

そう言ってニヘラ〜と笑う先輩。

・・・・その顔、とーっても薄気味悪いんですけど。


でもまぁ、確かに先輩が聞いたことをサヤとあたしは話していた。

“コクレン部”とはなんぞやと。

・・・・それもまぁ、サヤと違ってあたしは即却下したけど。


「あれ? でも、ちょっと待ってよ先輩。その話を聞いたからってなんで先輩があたしに会いに来たりするんですか? 部活に入る気なんてないですよ?」

「えっ!? そうなの!?」

「そうですよ」

「じゃあ、なんで俺の話を聞こうと思ったの?」

「ただの冷やかし」

「冷やかし!?」


目をひんむいて驚く先輩はとりあえず無視して、先に言ってしまうとそうなのだ。

もとからあたしは、部活に入る気なんてさらさらない。

ましてや“コクレン部”なんぞというアヤシイ部活の勧誘だったら即刻お断りだ。

“仮の部室”と言った時点で何かの部活をしているとは思っていたけど・・・・まさかコクレン部?
 

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