【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
『ふざけんな!』って言ってやりたかったけど、でも噂ってホントに怖いもので・・・・。
噂の内容が分かったところで、それを相談することも、助けを求めることもできず。
あたしの声が誰かの耳に届くことはなかった。
女子にはもちろん白い目で見られて、誰も口をきいてくれなくて。
そんな噂を知っていても、物好きな男子はよくあたしに告白らしきものをしてきたけれど。
どこかバカにしていて、本気だと、こっちも真剣に応えようと思えるようなものは、卒業するまで一つとしてなかった。
そして、その噂が噂を呼んで、いつしか一人歩き。
告白するそばからメッタ斬りにフッていく、そういうヤツなんだって思われるようになっていった。
あたしも、もともとが表情の変化に乏しいほうだったし、言動もハッキリしていたから、誤解をされやすいほうではあったんだ。
だから、少なからずあたしにも原因があるんだって。
悔しいし負けたくなかったけど、そう思うことにしていた。
じゃないと、周りが敵だらけの学校には通えなかったから。
でも・・・・。