【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
 
そんな噂を聞きつけて真っ向から否定してくれたのはサヤだった。

「そんなのひどすぎる!チカは何も悪くないじゃん!悪いのは逆恨みしたり陰口言ったり、そういうことするヤツラじゃん!」

って。


そして、あたしをこの高校に誘ってくれたのも彼女。

サヤと一緒に、中学では叶わなかった3年ぶんの友情を取り戻す。

それが、受験のとき、サヤと交わした約束だった。





「・・・・こういうコトなんですよ。どうしてあたしが部活に入ると廃部になるか、これで先輩も分かったでしょ? だからそっとしといてもらえませんか?」

「そっかー。そういうコトだったのかー・・・・」

「はい。あたしはもう部活とは縁を切った人間です。せっかくのお誘いですけどお断りします。ごめんなさい」


ただ断り続けていてもラチがあかないし、先輩はちょっとやそっとじゃ諦めないと思って、噂のことを正直に話した。

正直に話せば同情して、分かったって諦めてくれるんじゃないか。

そっとしておいてくれるんじゃないかって。・・・・そんな期待も、ちょっと込めて。
 

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