【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
「いや、俺はそんなこと聞いたくらいじゃ諦めない!むしろ誘い続ける!だって、そのサヤちゃんの言う通りじゃん!ちぃーちゃんはなんも悪くないッ」
「・・・・先輩、だからね」
「絶対に諦めないよー!ちぃーちゃんをなにがなんでも俺の相棒にするよーッ!!」
「・・・・」
けれど、その期待はどうやら空回りだったらしい。
何を思ったのか、先輩はいきなり立ち上がって、そう言いながらバンザイをしはじめた。
ここでバンザイする意味、果たしてあるんだろうか・・・・。
初めて見たときから、先輩のことは変な人だ、変な人だと思ってはきたけれど。
ここまでおおっぴらに変だと・・・・なんだか笑えてくる。
今まで張っていた気が抜けて、いつの間にか、あたしは先輩を見て笑っていた。
「あッ!ちぃーちゃんが今笑ったァァーッ!! どうしよっ、チョーカワイイ!!」
「プッ」
「やった!やったーァ!」
「ププッ」
なんなのよ、まったく。
ちょっと笑ったくらいでこのはしゃぎようだったら、あたしが大爆笑したらどうなるの。