【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
そんな辛い思いまでして知ってもらおうとは、あの頃のあたしはどうしても思えなかった。
話を聞いてくれたり、知ろうとしてくれたり・・・・。
そういう人がいるかも分からない状況下では、すぐにポッキリ心が折れてしまった。
それに、1人で頑張るのは想像よりずっとずっと困難だったから。
でも、今なら・・・・!
先輩の横にスッと並ぶ。
制服をつかんでいたはずのあたしの手は、いつの間にか先輩の熱い手の中におさまっていた。
・・・・そうだ、この手。
この手の熱さが、あたしに底なしの勇気をくれるんだ。
大きく息を吸って。
そして・・・・。
「あたしは―――ーーーッ!!!!」
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