【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
 
そんな辛い思いまでして知ってもらおうとは、あの頃のあたしはどうしても思えなかった。

話を聞いてくれたり、知ろうとしてくれたり・・・・。

そういう人がいるかも分からない状況下では、すぐにポッキリ心が折れてしまった。

それに、1人で頑張るのは想像よりずっとずっと困難だったから。


でも、今なら・・・・!


先輩の横にスッと並ぶ。

制服をつかんでいたはずのあたしの手は、いつの間にか先輩の熱い手の中におさまっていた。

・・・・そうだ、この手。

この手の熱さが、あたしに底なしの勇気をくれるんだ。


大きく息を吸って。

そして・・・・。










「あたしは―――ーーーッ!!!!」










―――――――――
―――――――
―――――
 

< 33 / 73 >

この作品をシェア

pagetop