【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
1週間後───・・。
先輩の力を借りて噂の誤解を解いた日から、あっという間にそれくらいの時間が経っていた。
「ちぃーちゃんッ!今日の依頼は何人だっけ?」
「ハァ・・・・。さっきも言ったじゃないですか。3人ですよ、増えもしないし減ってもいません」
「3人か、増えないねぇ。あ、でも、ちぃーちゃんが正式に部に入ってくれたから俺っち幸せ。毎日誰かしら来るって嬉しいねッ!」
「けど、部として認めてもらえる5人には、まだ3人足りませんケドね。同好会がいいとこですよ。いっそ同好会にしたら?」
本当のあたしを知ってもらうチャンスを作ってくれた先輩は、相も変わらずおちゃらけっぷり全開。
今もこうして、休み時間のチャイムが鳴るたび1年の教室に顔を出しに来ている。
あのときのびっくりするくらい真剣な顔は一体どこへ行ったのか。
だからおちゃらけすぎだってば。
そしてあたしは、あんなに嫌がっていた部活に──“コクレン部”に正式に入部することになって。
・・・・わりと楽しい日々を送っていたり、なんかしちゃうのだ。