【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
 
「うぅーっ・・・・。せんぱぁ〜い」


1人に慣れていたはずなのに、たかが30分遅れているだけでどうして涙が出るんだろう。

サヤや先輩に囲まれて過ごしてきた時間があたしには幸せすぎたってことなのかな。

けど、今さら無理だよ・・・・。

1人がこんなにも孤独で怖いものだということをまざまざと見せつけられた気がして、あたしはらしくもなく泣いてしまった。


と、そのとき。

ブー ブー
ブー ブー・・・・。

持っていた携帯が震えた。


「もしもし先輩!?」

『もしもしチカ!? 今どこ!? ちょっとヤバいよ、先輩が!!』


電話の相手はサヤ。

先輩からじゃないかって思ったあたしは、相手がサヤでがっかり。

けれど、開口一番そう言ったサヤの言葉に鼓動が早くなった。


「サヤ!! 先輩がなに!? それってどういいこと!?」

『なんか今、3年の人とケンカしてるらしくて、先輩・・・・殴られるわ蹴られるわですごい血が、ってみんな騒いでるのっ』

「えっ!?」

『どうしよう、チカ・・・・』
 

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