【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
 
先輩が、死んじゃう?

死んじゃう? 先輩が?

嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!

嫌だ!


そのときだった。

あたしの中で何かがプチンと弾けて、体の奥底から闘志のようなものがフツフツと沸き上がってくるのを感じた。

そして、ふっと。

本当にふっと体が軽くなって、今まですくんでいた足が嘘のように動きだして・・・・。


「もうやめてよっ!殴りたかったらあたしを殴れッ!!」


馬乗りになっていた3年の人を突き飛ばし、先輩を背中にかばってあたしはそう言っていた。


「ちぃー・・・・ちゃ、ん?」


苦しそうに息をしながら途切れ途切れにあたしを呼ぶ先輩。・・・・よかった、思ったより大丈夫そう。

でも、こんなに心配をかけるなんてホントに先輩はバカだよ!


「弱いくせにケンカなんてしてんじゃねーですよ!この人の相手はあたしが引き受ける。先輩は黙って倒れてて!」

「ダメだよ、そんなの。だってちぃーちゃん・・・・女の子じゃん」

「先輩だって男のくせに弱っちいじゃない!いいから黙ってあたしに相手させて!」
 

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