【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
 
「それでケンカしたの? わざわざ屋上で、殴り合いの?」

「だってちぃーちゃん、そんな子じゃないもん」


“そんな子じゃないもん”って。

ケンカ弱いくせに、殴られっぱなしだったくせに・・・・なんであたしのために体を張ったりするの。

向こう見ずで無鉄砲で、アホでマヌケで・・・・そういうところが好きだけど、でもバカだ!


「もーっ、バカッ!!」

「バカって・・・・」

「うるさい!バカだからバカって言ってんのよっ!そんな噂くらいなんでもないのに!先輩がケガするくらいなら、あたしはどんな噂を流されてもいい!!」

「・・・・ちぃーちゃん」


ホントにバカだよ先輩は!

どれだけ心配したと思ってんの!どんな思いで先輩が来ない部室で待っていたと思ってんの!

やめてよもう、あたしのためになんか頑張らなくたていいよ・・・・。


「うっ、うーっ」

「ちち、ちぃーちゃん!? どうしたの!? さっきケガしちゃった!? 大丈夫!?」


ほら、そんな理由を聞かされて泣かないわけないんだから。

鈍いったらないよ。
 

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