【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
そうだったんだ・・・・。
だから掲示板に貼ってあったあのポスター、即席ですって感じの雑なものだったんだ。
部活紹介にも間に合わないくらい本当に即席で作った部なんだ。
まったく、この人は・・・・。
「バスケ部、すぐにやめられたんですか? それに、あんなルーズリーフ1枚の変なポスター、あたしが気づかなかったらどうするつもりだったのよ」
「あー、バスケ部はけっこう苦労したよ。でも、ポスターは考えてなかったなぁ。ちぃーちゃんなら必ず気づくって思ってたから」
「なんなの、それ」
「まァまァ」
ホントにもう。
バカな質問をしたよ。
あんなポスター、あたしくらいしか気づかないっつーの。ていうか気づいてあげられないっつーの。
「で。その噂絡みであたしの名前を知って、それで強引に部活に誘ったってワケなんですか」
「そう。ちぃーちゃんの噂をなくすためには、まずは部活をしてもらおうと思って」
「ありがとう・・・・」
「いいえ。どういたしまして」
嬉しい・・・・。
嬉しいよ、先輩。