【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
 
ぐ、ぐるじぃ・・・・。

てか手、伸びたんじゃ!?

ギャーッ!! おちゃらけている上に能力者かよっ!!

やだやだ、こんな得体の知れない人となんか関わりたくないよ!!


「やだ!やだやだやだッ!ちょっと離してッ!先輩が海で溺れても助けられませんからあたしッ!」

「吉岡サン・・・・?」

「泳げないんですッ、潜れないんですッ、力ないんですッ!だから仲間にはなれません離してッ!!」

「ちょ、なに言って・・・・」

「仲間ならもっと有望な人を探してくださいッ!」


と、無我夢中で抵抗した。

思いつくままお断りのセリフを並べて、体が動くままに手足をジタバタさせて。

もう恐怖だ、こんなの。

すると。


「吉岡サンってば、ちょっとでいいから落ち着いて!俺、別に海賊王とか目指してないからッ!」


そう言って、能力者の先輩があたしの肩をつかんだ。

は? め、目指してない?


「見て、ほらコレ。今使ったのはオモチャ屋さんでよく売ってる孫の手みたいなヤツだって。俺の手が伸びるわけないでしょーに」
 

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