キミは俺をわかってない。
意識を朦朧《もうろう》とさせながら舌を絡めていると後ろから腕を引っ張られた。
急な出来事にビックリして振り向くと、怖い顔した雅がいた。
雅が「なにしてんの。」と低い声で呟くから、正直に「チュウしてた。」と答える。
こういう怒った雰囲気の雅は嫌い。
いつものバカな雅じゃなきゃ嫌だ。
沈黙のまま見つめ合っているとプールの入口で一人の男子が叫んだ。
「やべぇ!
警備がこっちに向かってる!」