キミは俺をわかってない。


意識を朦朧《もうろう》とさせながら舌を絡めていると後ろから腕を引っ張られた。


急な出来事にビックリして振り向くと、怖い顔した雅がいた。

雅が「なにしてんの。」と低い声で呟くから、正直に「チュウしてた。」と答える。


こういう怒った雰囲気の雅は嫌い。


いつものバカな雅じゃなきゃ嫌だ。


沈黙のまま見つめ合っているとプールの入口で一人の男子が叫んだ。


「やべぇ!
警備がこっちに向かってる!」


< 19 / 27 >

この作品をシェア

pagetop