キミは俺をわかってない。


しばらくトイレに避難していた。


もしかしたら1時間くらいトイレにいたのかもしれない。


プールの方からは物音ひとつ聞こえなくなっていた。


すでにみんな帰ったらしい。


私も帰ろうとトイレから出ると、そこにはプールを見つめるキレイな大魔王がいた。


金アッシュに染められた髪はプールと同じように照明でキラキラと輝いている。


鼻筋の通った横顔はまるで作り物みたいだ。


私はそんな大魔王に近づくと、大魔王のダークグレーの瞳に私が映る。


ドキンと胸が高鳴った。


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